■お知らせ
2017-10-31 09:59:00
演題 : 五感で鑑賞 浮世絵・版画
講師 : 高橋 由貴子 氏
東京伝統木版画工芸協同組合 理事長
江戸時代後期、庶民文化の情報ツールとして生まれた浮世絵版画は、
絵師、彫師、摺師の分業で制作され、その色彩の美しさから
東錦絵(あずまにしきえ)とも呼ばれ人々の生活に潤いを与えてきました。
世界が賞賛する浮世絵版画は、日本が温暖湿潤地帯に位置し
四季をもつ島国だからこそ生まれるべくして生まれた
我が国特産の工芸品のひとつといえましょう。
四季折々の美しい風物に絵師が筆をとり、
彫師、摺師たちが精緻な技でそれらは再現する。
そして、それに必要な良質な材料(版木、紙)が
豊かにあったことが大きな要因です。
また、何よりもそれら作品を日々の生活の中で
あたりまえのように楽しむ日本人の高い知性と感性が
絵師、職人たちにの仕事に一層の拍車をかけたのです。